冬休み、お家は最高の「学び場」になる。
〜モンテッソーリ教育32年の実践から～
冬休みは、ご家庭でモンテッソーリ教育のエッセンスを取り入れるとても良い機会です！ご家庭が、子どもの自立と知的好奇心を育むための最高の「学習環境」となります 。なぜなら、モンテッソーリ教育の「日常生活の練習」「感覚教育」「文化教育」の要素が、お正月という伝統行事の中に溢れているからです 。
モンテッソーリ教育は、子どもが誰でも生まれながらに持つ「自分で自分を育てる力（自己教育力）」を大切に考えています。 お正月特有の活動が幼児期の成長に理想的な理由は、次の点があります。
子どもは吸収精神が備わっているため、大人の真似をしたいという強い気持ちを持っています 。大掃除や料理、新年の準備は、「本物の活動」です。子どもができる活動は、積極的に参加させてください。参加することによって、自分も家族の一員で、大切な存在だという自尊心や自己肯定感につながり、これらが子どもの人格形成に大きく影響します。
幼児期には、物事が決まった順序で行われることを好む「秩序の敏感期」があります 。一年の終わりと始まりを祝う儀式的な流れや伝統的な飾り付けは、この敏感期にある子どもの心を満たし、社会文化への深い理解を促します 。
具体的にどのような活動を、どのように行えば良いかを「提示（やり方を見せる）」のポイントと共に解説します 。
「自分でやりたい」と思った瞬間に取り組めるよう、道具を子どものサイズに合わせ、子どもが自分で手の届くところに設置することが成功の鍵です 。
子どもの手に合う小さなスプレーとスクイジー（水切りワイパー）、雑巾を用意します 。ゆっくりとした動作で窓に水をかけ、「上から下へ」とスクイジーで水を切ります。水滴を布で拭き取り、窓ガラスを綺麗にしていきます。言葉のみで説明するのではなく「見ててね。」と「手の動き」で見せてあげてください 。
家族全員の靴を揃え、自分の靴を丁寧に磨きます 。玄関に、小さいサイズの箒と塵取りのセットがあれば、子ども達は、喜んで玄関や靴箱を綺麗にしてくれます。
3歳までは、切った花を花瓶に活けますが、3歳以上になると、花の水切りもできます。お正月らしい松や菊を、花瓶の高さに合わせて茎の長さを測り、ゆっくりとハサミで切ります 。（けがのないよう、大人が見守ってあげてください。）
お餅の「温かさ」や「柔らかさ」、お出汁の「豊かな香り」 。これらを言葉にして共有することで、感覚が整理され、洗練されていきます 。
「黒豆（まめに仕事をする）」「数の子（子孫繁栄）」など、由来を物語のように伝えると、語彙力と知的好奇心は飛躍的に高まります 。
マリア・モンテッソーリは著書に「手は知性の道具である」と述べています 。
紐を巻き、絶妙な力加減で放す。これらは脳の発達に直結する「微細運動」の宝庫です 。
視覚情報と耳からの情報を一致させる高度な活動であり、「言語の敏感期」にあるお子様にとって最高の機会となります 。
⼀⽇に３〜5分だけでも、⼼を静めて⼦どもを観察してみてください。その⽬はどこを⾒ていますか？ ⼿先はどう動いていますか？繰り返し同じ動作をしているなら、それは今、脳が劇的に発達しているサインです。⼦どもの内側から湧き出る⽣命のエネルギーを信じ、⼤⼈は、本当に必要な時にやり⽅を⾒せたり、⼦どもが⾃⽴できるような環境を準備してあげなければなりません。
冬休み、特別な教材は必要ありません 。 家の中にあるものを子どものサイズに合わせ、やり方を丁寧に示し、あとは信じて任せる 。それだけで、家庭は素晴らしい「モンテッソーリの環境」に変わります。「⾃分でできた！」という誇らしげな笑顔。その⾃信こそが、⾃⼰構築、⼈格形成につながります。
2025年も、クーナモンテッソーリ子どもの家の教育活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました 。 皆様、どうぞご家族で、心穏やかな年末年始をお過ごしください 。
※本記事に使用している画像について クーナでは、お子さまのプライバシーと肖像権を最優先に守るため、記事内のイメージ画像に生成AIを活用しています。実際の活動の温度感を大切にしながらも、安全で安心な情報発信に努めております。